このページでは、福山 Three door(スリードア)代表の長岡と、店舗づくりをお任せくださったお客様との対談をご紹介しています。
今回は岡山県笠岡市にある、「笠岡珈琲焙煎所」のオーナー、中島 孝哲さんとの対談が実現。
2023年1月にオープンした同店で、オーナーお勧めのコーヒーをいただきながら話しました。
中島 孝哲さん
笠岡珈琲焙煎所 オーナー
トラックドライバーとして勤める傍ら、「好き」が高じてコーヒーの焙煎や豆の販売ができるコンテナを自宅敷地内に設置した。お店の名前には、笠岡で何か面白いことをしたいという想いを込め、”笠岡”珈琲焙煎所とした。
長岡 俊宏
株式会社 福山 Three door 代表取締役
店舗デザイン事業のひとつとして、コンテナハウスの空間デザインや設計、施工を手がける。決まったサイズや限られた空間という様々な制限を持つ、コンテナのユニークさに魅力を感じている。
「趣味でコンテナハウスを作りたい」では話が進まなかった
お問い合わせのきっかけを教えてください
中島 孝哲さん(以下、中島さん):コーヒーは趣味なんですよ。家族がいて生活もあるから、趣味に多額の費用はかけられない。まずはそこからスタートでした。
長岡:ご自宅の敷地内に設置できることが前提でしたね。
中島さん:そうです。プレハブも設置はできたのですが、コンテナっていいでしょう。海上輸送に耐える頑丈さがあって。将来的にどこかのテナントを借りて焙煎所やカフェをすることになったら、売ることも考えられますしね。
長岡:解体しなくても陸送できますからね。このままどこへでも動かせる価値は高いですね。
中島さん:それでコンテナに絞って探したら、当時はまだ福山スリードアさんともう一社しか、この近くにはコンテナハウスを設置できる会社がなかったんです。
長岡:他社はどうでしたか?
中島さん:あまり積極的ではなかったですね。「個人の方とはあまりお取引していないんです」みたいな雰囲気で。個人事業主で、ましてや副業では利益になる客ではないと判断したんでしょう。
福山 Three doorのどこに魅力を感じて依頼してくださったのでしょうか?
中島さん:福山スリードアさんは、デザインと設計を自社でされているので費用が安いんですよ。
長岡:一般的には、デザイン費や設計費が別にかかる会社が多いですね。
中島さん:もちろん妥協できないところはありましたけど、費用は最低限まで抑えたかったですからね。自分でできることはしようと思っていましたが、素人ではできないところもたくさんありますから。価格は決め手になりました。
長岡:こだわるところはしっかりこだわりたいという思いがあって、ご希望は最初から具体的でしたね。
中島さん:そうですね。まず最優先だったのはルーフトップバルコニーを作りたいということ。それからテーブルのところに横窓をつけたいということ、それと流しはこちらで手に入れていたものがありましたから、それに合わせて配管を作って欲しいということは最初にお伝えしたかな?
長岡:お伺いしました。スペースの半分は奥様のネイルサロンにされるとのことだったので、配線や配管の位置は比較的早い段階で決まっていきました。
自分では思いつかないような提案やアイデアに価値を感じました
良かったと思うご提案を教えてください
中島さん:外階段の手すりですね。ルーフトップバルコニーに上る階段の手すりをね、三角形にしたいんですけどって言われて。
長岡:三角形の手すりってどこにもないでしょう?せっかくだから、シンボルになるようなものを作りたいと思ってご提案しました。
中島さん:これがね、うちのロゴマークなんです。作ってもらった手すりからアイデアをもらいました。
長岡:嬉しいですね。刺繍でロゴを入れてあるTシャツ、お気に入りで夏はよく着ています。
中島さん:ありがとうございます、好評だったんですよ。
長岡:「それいいね、コーヒーショップも始めたの?」ってよく言われます。結構似合ってるみたいで。福山で笠岡珈琲焙煎所さんの営業活動してます(笑)
中島さん:ぜひ福山からもたくさんのお客様に来ていただきたいですね(笑)
長岡:こちらからのご提案としては、あえて天井に梁のように見えるスペースを作ってエアコンのダクトを通し、空間にメリハリをつけています。壁だとメリハリがなくなるんですよね。
中島さん:壁もね、OSBボードという合板を使ってクロスなしでも良い雰囲気にしてもらったかな。
お客様が落ち着いて過ごせる空間が作りたい
来店されたお客様はどのようにスペースを利用されていますか?
中島さん:平日は本業の仕事があるし、週末は各地のマルシェや百貨店の催しに出店していたりして、ここは完全な不定期営業なんですよ。
長岡:それでもお客様が来店されているのが素晴らしいですね。
中島さん:ご来店してくださったお客様が、口コミで広めて下さっているみたいです。わざわざ探して来て下さったり、「本当に営業してるの?」ってそーっと覗いて下さったり。常連のお客様もいらっしゃるんですよ。
長岡:住宅地の中ですし、ご自宅の一角ですからね。目立つ店舗ではないのに、それでも来てくださるってすごいことですね。
中島さん:ここは焙煎した豆を販売しているだけで、カフェではないんです。だけど来てくださったお客様にはコーヒーを飲んでいただいて、時間があるならぜひゆっくりしていって欲しいとお話ししています。
長岡:ルーフトップバルコニーは活用されていますか?
中島さん:してますよ~。お客さんには、「コーヒーは出すから好きな食べ物持ってきてくれたらいいよ」ってお伝えしてるんです。それを知ってるお客様は、軽食を持ってきてコーヒーと一緒に2階で食べたり、このカウンターで他のお客様とお話ししたり。コンテナの中には入り切らないほどお客様が多い時もあるので、2階はしっかり活用しています。
これからの目標を教えてください
中島さん:今のところ、利益はちゃんと出ているんですよ。
長岡:素晴らしいですね。本業もご多忙の中、活躍されていますからね。
中島さん:おかげさまでイベントに声をかけていただいたり、口コミでご来店いただいたり、インスタでも問合せをいただいて。好きなことって、寝るのを忘れるくらい夢中になったりするでしょう?そんな好きが重なって、カフェもいいなと思ったりね。いい情報がないかなって、アンテナは常に立てています。
長岡:具体的なアイデアはあるんですか?
中島さん:海の近くでカフェがしたいとか、カレーも一緒に出したいとか、やりたいことはたくさんあるんですよ。ただ一つ絶対に譲れないのは、笠岡でやりたいということですね。
長岡:笠岡で面白いことがしたいって、珈琲焙煎所を作る時からお話しされていましたね。
中島さん:いい物件ないですか?
長岡:お探しなら不動産のお手伝いもできますよ!
中島さん:古民家とかどうです?
長岡:伝統再築士の資格ありますよ。いい物件があったら一緒に見に行きましょう。
中島:こうやって自分とは違う知識を持った人といろいろ話すのは楽しいですよね。この焙煎所でしっかり基礎を作ったら、次はお客様が落ち着いて過ごせるスペースが十分にある、そんなお店が作りたいですね。
長岡:五感から落ち着けるような、そんな空間を作れるといいですね。おいしいコーヒーがあると、話の深みも一味違ってきますね。
中島:話も広がってきますね。ぜひまた来てください。
長岡:ありがとうございます、これからもよろしくお願いします!